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カリブ海最南端の国トリニダード・トバゴ

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巨大衣装コンテスト “キング & クィーン”
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トリニダード・カーニバルのフィナーレのパレードでは、バンド(チーム)の先頭にもっとも豪華で大きな衣装を着たキング、またはクィーンがパレードを率います。その大きさは道幅いっぱいだったり高さも6メートルくらいあるものもあり、電線に引っかからないように練り歩く姿も。この各バンドのキングやクィーン達の中芸術的に優れているか競うコンテストが、その名の通り”キング&クィーン”です。

 

元々は、カーニバルで美女を選ぶミスコンからスタートし、カーニバル・サンデー(フィナーレのパレード2日前の日曜日)の夜にサバンナ公園で行われる恒例イベント”ディマンシェ・グラ”の目玉の一つでしたが、1962年の独立後は各パレードバンドの芸術性を競うキングとクィーンを選ぶコンテストに発展しました。年によって別日・別のイベントでコンテストが行われる年もあったものの、近年は”ディマンシェ・グラ”内の大会として落ち着いています。(しかし、毎年直前にチェックは必要。)

 

巨大衣装コンテストとして知られる”キング&クィーン”も、コンテストが始まった当初は今よりもずっと衣装が小さいものでした。次第に衣装に使われるビーズやストーンなどの装飾品や布地などの素材が輸入され、衣装を型どるワイヤーも軽量かつ種類も豊富になり、今のような大きな衣装へとグレードアップしてきました。パッと見ただけではどこにマスカレーダー(仮装者)がいるのか分からないほど。一見するとエンジンやモーターのついた山車と間違えられますが、あくまでこれは衣装の大会。カートはつけてもいいが、衣装を着るマスカレーダーが自分の力で動かせるものでなくてはいけない。電動カートで移動するのは現時点のルールでは禁止です。いかに軽量化し動きやすくするか、キングやクィーンは衣装を着るだけでなく、巨大な衣装を動かせるだけの力や表現力も必要です。また、コンテストの評価ポイントとして、テーマの視覚表現性やデザインに加え、マスカレーダーが踊る(移動する)際に、どんな動きになるかを計算するのもデザイナーの腕の見せ所。素材選びや技術を駆使し、人間の何倍もある衣装が巨人となり、まるで人間そのもののように動くところも鑑賞していて面白いところです。

 

ちなみに、各バンドのキングやクィーンになるには・・・。デザイナーと長年ペアを組んで共同で衣装作りをしている場合と、バンドやデザイナーにお金を払って衣装を作ってもらうケースと両方があります。

 

↓こちらは前回2020年の決勝戦の様子です。